殺陣シーンの多いエンタメの時代劇です。
少し調べたところによると、戦後はGHQによってリアルな血の描写など規制されていたようですが、本作を始めとするいくつかの映画をきっかけに、派手に血飛沫を上げる時代物が増えたらしいです。
さて観終えた感想はひとことで言うと、エンタメだなあ、でした。
とは言っても半世紀以上前の白黒作品なので、また時代物ということもあって、ユーモアやセリフなどに多少の新鮮味がありました。
「渇すれども盗泉の水を飲まず」とか言ってましたし。
あとBGMが面白いと思いました。
クラシックのオーケストラみたいな曲が使われていて、白黒の侍との取り合わせがなんとも言えず心地いいですね。
印象的だったのは、作中では女性たちが皆ずいぶんおっとりしていたことです。
大和撫子的なノリもあるかもしれませんが、侍たちと一緒に命をからがら逃げているときも「こんな塀あぶなくて登れませんよお」と言ったり、アジトに立てこもっているときも呑気に庭に咲いた花の話をしたり、といった具合でした。
そういう風な、女性たちの統一的造形は現代の映画や小説ではたぶんもう難しいんだろうなあ、と思いました。
以上、簡単な所感でした。