文学の凝縮、アイドルの拡散

61.北野武「菊次郎の夏」〜傍若無人な男の描像

 

菊次郎の夏 [DVD]

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 約3週間ぶりの投稿となりました。

 3週間前に帰京してから、太宰治賞にむけて原則読書と映画鑑賞を断った生活を送り、いくつか構想を考えたりはしたのですが、結局小説を書くことができずに終わってしまいました。

 やると決めたことを断念する運びとなったとき、それを改善すべき自らの怠惰とみなすか、あるいは別の新鮮な領域に開かれた好機とみなすか、取り扱いが難しい。

 

 1999年公開、しらない子供とふたりで旅をするロードムービーみたいになっていて、北野武の映画としてはめずらしく終始温和な雰囲気に包まれています。

 とはいっても、大人たちが子供みたいにがちゃがちゃ遊んでいる感じや、北野武演じる主人公の傍若無人な振る舞いの感じは、北野武の多くの作品に通じているものですが本作でとくに際立っています。

 

 ずっと流れているピアノ曲が、めちゃくちゃ聞き覚えのある曲で、あとから調べると久石譲作曲の「Summer」という曲でした。

 たぶん誰しも聞いたことのあるメロディですが、もともと本映画のために作られた曲のようです。

 

 あとやや安っぽいファンタジックな映像の合成がちょくちょく使われていますが、これは子供が物語の中心にいることに関係しているのでしょうたぶん。

 

 短いけれど以上。