文学の凝縮、アイドルの拡散

2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

69.テリー・ジョージ『ホテル・ルワンダ』

2004年公開、南アフリカ制作の社会派映画。 Wikipediaをコピペすると、 「1994年、ルワンダで勃発したルワンダ虐殺によりフツ族過激派が同族の穏健派やツチ族を120万人以上虐殺するという状況の中、1200名以上の難民を自分が働いていたホテルに匿ったホテル…

68.行定勲『パレード』〜案外エンタメっぽくない

2010年公開、吉田修一原作の、シェアハウスしている若者たちの近いようでいて少し距離のある、なんとなく不気味な人間関係を描いた作品です。 吉田修一原作とだけあって、流行りの役者勢揃いという感じのキャストでありながら、ポップさをまといつつもじっと…

67.堤幸彦『天空の蜂』

東野圭吾原作の、原発の上に巨大ヘリを墜落させるぞというテロのサスペンス映画です。 父親に異常に勧められたから見ましたが、まあ、、、という感じでした。 映像はきれいでした。 東野圭吾原作の映像作品だったら他のやつの方がいいと思います。 純文学を…

66.フェデリコ・フェリーニ『道』〜午後の日差しの寂しさ

1954年公開のイタリア映画です。 特に何の取り柄もない女性が、むきむきで粗暴な性格の、胸に巻いた鎖を肺を膨らませて引きちぎる芸一本勝負の大道芸人の付き人になって旅をするという白黒映画です。 前に視聴したルーマニア映画もそうですが、こういうのは…

65.クリスティアン・ムンジウ『4ヶ月、3週と2日』〜パルム・ドールを受賞したルーマニア映画

映画はずっと駅前のTSUTAYAで旧作200円を借りていたのですが、近くのGEOでは旧作100円ということで、最近はもっぱらGEOを利用するようになりました。 2007年公開のルーマニア映画で、パルム・ドールを獲っているようです。 独裁政権下のルーマニアを舞台に、…

64.トーマス・ヤーン『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』〜死ななきゃ何やってもええやん

1997年公開のドイツ映画です。 余命の短いふたりが病院を脱走して好き勝手やりたい放題します。 基本的にコメディタッチですが、ふたりに死が迫っているという設定が、話に立体感を与えているように思います。 全編を通して、人間死ななきゃ何やってもいいよ…

63.穂村弘『短歌の友人』〜高級だけどわかりやすい短歌の批評本

伊藤整文学賞を受賞したしっかりした批評本なのにわかりやすいです。 近代以降の短歌の変遷、そもそも短歌とは何か、プロの歌人はどのように短歌を鑑賞するのかといったことについて、たぶんかなり高級なことがわりと平易な言葉で分析されています。 本書の…

62.北野武『アキレスと亀』〜芸術を追うこと

修士論文の提出期限まで約1か月となりました。 最近は4、5時間くらい研究室にいて、帰宅してから映画をみたり本を読んだりという生活をおくっています。 あと、ひとつきほど前から、3日に1回くらいのペースで7kmくらい荒川沿いのコースをランニングしてい…

61.北野武「菊次郎の夏」〜傍若無人な男の描像

約3週間ぶりの投稿となりました。 3週間前に帰京してから、太宰治賞にむけて原則読書と映画鑑賞を断った生活を送り、いくつか構想を考えたりはしたのですが、結局小説を書くことができずに終わってしまいました。 やると決めたことを断念する運びとなった…