修士論文の提出期限まで約1か月となりました。
最近は4、5時間くらい研究室にいて、帰宅してから映画をみたり本を読んだりという生活をおくっています。
あと、ひとつきほど前から、3日に1回くらいのペースで7kmくらい荒川沿いのコースをランニングしています。
2008年公開、絵を描き続けることしかできない売れない画家の一生をえがいた北野武監督作品です。
物語が幼少期、青年期、中年期と3つにわかれているのですが、とくに幼少期
は映像のトーンやストーリーのまとまっている感じがあまり北野武映画っぽくありません。
青年期からだんだん狂った感じになっていきます。
主人公は幼い頃からずっと描き続けているだけあって、たぶん技量はそれなりにあるのですが、オリジナリティが発見できない、あるいは頭が悪くて画商のいいなりにしか描くことができないという具合で、いつまでたっても芽の出ないどうにも救いようのない状態で歳月だけが経過していきます。
力のある映画でした。
主人公や芸大の友人たちはみな決定的な何かを渇望し、実態のわからないそれに「アート」と名付け、もがきつづけ、何も掴んだ感覚をえられないまま死んでいく者もいて、主人公はおじいさんになってもずっと「アート」を追求している。
買春している娘に絵の具代を無心するシーンが印象的です。
気になった点をひとつ言うと、主人公がまるきりアホのある種無痛病みたいな人物像なので、そこに少しでも理性的な思索であったり葛藤であったりのゆらぎが垣間見えるシーンがあると、個人的にはより好みだった気もしますが、まあよくわかりません。
以上。