文学の凝縮、アイドルの拡散

2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

14.『鏡のなかのアジア』谷崎由依

鏡のなかのアジア 作者: 谷崎由依 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2018/07/05 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 先日発売された、谷崎由依氏の短篇集です。 運良く図書館で借りられました。 谷崎由依氏を初めて読んだのが、本短篇集収録の『天…

13.食の描写について

小説における食の描写にはその作品の特徴がよくあらわれる気がする。 作品によって、そもそも食の描写の多さに差があるし、選択される料理の種類や、食べる行為を描写するさいの追いかけ方など、よく観察するといろいろ違いがあって面白い。 これは単に作品…

12.『三匹の蟹』大庭みな子ーアクロバットな文章

アクロバットな文章を書く作家というのがいます。 まあ、アクロバット、と一口に言ってもいろんな種類があると思いますが、私の言いたいのは、なんというか、普通の論理感覚だとそういう文章にならないだろう、と思っちゃうような文章のことです。 冷静に一…

11.『葉桜と魔笛』太宰治ー真骨頂の女性独白

太宰治の『葉桜と魔笛』を読みました。 青空文庫でも読めます。 10ページ程度の短い小説ですが、『斜陽』などにも見られる太宰のお家芸、品が良くて感情的でつらつらとした感じの女性独白の文体が存分に発揮されています。 (ページ番号は、ちくま文庫版『…

10.『蟹』河野多惠子ー瑣末な執着心

河野多惠子の『蟹』を読みました。 80枚の短編、1963年上半期の芥川賞受賞作です。 幼児狩り・蟹 (P+D BOOKS) 作者: 河野多惠子 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2017/03/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 読もうと思ったきっかけは、図書館…

9.乃木坂46 6th Year Birthday Live 感想ーシンクロする錯視

打ち上げられた花火に、胸のすく思いがした。 不思議な引力が働いているようだった。 変色する火の粉がカーブを描いたあとには、くすんだ煙が少し滞留して、残らず夜空に溶けた。 ステージから飛び出したひとつひとつの光景は、私の心の内まで流れて込んで、…

8.『美しい顔』北条裕子ーエンタメ的なコード

最近何かと話題になっている『美しい顔』を読みました。 本作は、二ヶ月前に発表された群像新人賞受賞作であり、現在芥川賞にノミネートされている作品でもあります。 しかし最近になって、作中の一部の描写が他の著作にそっくりだということで物議を醸し、…

7.久保史緒里さんの活動休止について

先ほど、乃木坂46の久保史緒里さんの全国ツアー全公演欠席、及び次回シングル等の活動休止が発表されましたね。 公式ブログより ちょうど今日、6th yearバースデーライブの久保史緒里さんの推しタオルが届いたところだったのですが…笑 6thバスラの個別マフ…