文学の凝縮、アイドルの拡散

22.北野武『HANA-BI』を観て

 9月も半分が過ぎて、最近は夜に窓を開けるとひんやりした冷気が入り込んでくるようになりした。

 どうでもいい話ですが、今日近所のドン・キホーテセルバンテスの小説ではなく総合ディスカウントストアの方)で座椅子を買いました。

 シェアハウスを始めて1年半、残りは半年というタイミングでの購入ですが、買うのが遅すぎたと膝を叩いて悔いるほど、座椅子というものは使い勝手がよいです。

 

 さて本題に入ると、私は黒澤明北野武是枝裕和もほぼ全く作品を観たことがない映画初心者なのですが、今回友人に勧められて(というかその友人が勝手にTSUTAYAで借りたものを私の暮らしているシェアハウスに置いていって)、北野武監督・脚本の『HANA-BI』を観ました。

 全く知らなかったのですが、これは北野作品の中で世界的に最も有名と言ってよいくらいの作品で、「ヴェネツィア国際映画祭で日本作品として40年ぶりとなる金獅子賞を受賞した」らしいです。

 

 で、鑑賞してみて、まあこれはだいぶいいな、と思いました。

 あまり映画を観たことがないので(1ヶ月ほど前に渋谷のシネマヴェーラという学生なら600円で観られる映画館で、フリッツ・ラングという人の『月世界の女』という1929年公開のサイレント映画を観た他に映画を観た記憶がない、あとデミアン・チャゼルの『セッション』を3ヶ月前くらいに観た)、あんまり他作品との比較もできないし、金獅子賞とやらを受賞するほどすごいのかどうかとかはよくわからないのですが、まあとにかくよかったです。

 いい描写、というかカットが、特に中盤以降たくさんあったと感じました。

 北野武演じる主人公とその妻が二人で過ごしているシーンはだいたいよかったですね。

 例えば二人で、ホテルとかによく置いてあるあの木製のパズルに黙って格闘しているシーンとか。

 なんというか、純文学を読むときの感覚で視聴することができました。

 ああこの描写はいいな、みたいな。

 

 今まで映画はなんとなく食わず嫌いしてきたのですが、小説について考えるのにもすごく生きる気がしたし、まあ純粋に映像自体が面白いとも思ったので、とりあえず黒澤明とか小津安二郎とか古典(?)の名作にいろいろ手を出してみたいなあと思いました。

 とりあえず新しくブログの記事に「映画」のタグを作った。

 

 以上。

 

HANA-BI [DVD]

HANA-BI [DVD]